「まいろふえ」の7_8月号に、素敵なエッセーが掲載されていた。

心を打たれ感動したので、書き留めて置くことにした。もちろん、要約だが。

「私と、庭と菜園と」というタイトルで、ガーデンデザイナーの白井温紀さんが綴っている。

ロンドンでの学生時代に質の高いガーデニング雑誌を目にす機会があり、その中でも「見栄えだけではない、深い豊かさに包まれた記事に出会った」そうだ。
それにはイギリスのガーデニングの本質をさりげなく謳ったキャッチコピーが添えられていた。


「Till the cows come home」
〜牛が家路につく前に〜

「あるインテリアデザイナーが田舎の古い牛舎を改修して魅力的な住まいと庭をつくり、それが20年以上の歳月を経て、より美しく成熟しているというもの」だったと言う。

農場の牛たちが放牧から戻ってくる合間、夏の緑溢れる家でランチとうたた寝と、ティータイムを楽しむ極上の時間を過ごすイギリスの農家の暮らしをコンセプトに、そのデザイナーは、庭づくりをしてきたとあったそうだ。

筆者はそこに、ガーデニングの本質を見たとエッセーは続く。

「ガーデニングの本質は農業だ。畑作、酪農。農産物や家畜たちとの生活が、景色をつくる。農業は、イギリス人だけではなく、私たち日本人の庭づくりの根底にも流れている。」


私ごとだが、

作物の収穫や農地の草刈りの合間、綺麗な庭でのひと休みしながら過ごす時間は格別だ。
リラックスできる音楽と、美味しい珈琲。
時には、朝早起きして、朝ご飯を庭のテーブルでいただいたり……。

土にまみれ、汗でドロドロになる農作だが、その合間に、なんと贅沢な時間を楽しめることだろう。 この対比が、より悦びを深めるのだ。

自然の中で、恵みを享受し、向き合い生かすために身につけた知識と技術で地域の景観をつくり、環境の保全に気を配る。

農家のガーデニングは、
まったくディープだ。

その役割は、思いのほか大きい。

わが家の庭づくりも、約13年。

ライフワークだと誇れるようになるまで、出来れば生涯やり続けたい。


庭を楽しむ形はさまざまであっていい。

その中でも、取り分け深く掘り下げられる、今の環境いられることを、私はもっと感謝していいんだと思う。